賃貸の交渉のために、内見で確認するべきチェックポイントをプロが解説

交渉テクニック
Hoshi
運営者プロフィール

一級建築士 / 宅建士

建築士として物件の構造や価値を見極め、宅建士として賃貸契約の裏側を知り尽くしています。

また、転勤等で引越しを5回経験しており、初期費用を極限まで下げる裏技を実践してきました。

このブログでは、プロの知識と経験を元に、大手サイトには書かれない情報を発信。
賃貸の「初期費用をゼロに近づける戦略」を公開します。

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「賃貸の初期費用が高すぎて、どうにかして安くできないか」

「内見(内覧)でどこを見れば、後で損をせずに済むのか知りたい」

そんな切実な悩みを持つ方のために、この記事を書きました。

多くの人は、SUUMOやホームズなどの大手サイトにある一般的なチェックリストを手に内見へ向かうでしょう。 しかし、それだけでは不動産会社が提示する高額な付帯費用を削ることはできません。

この記事では、建築士として建物の本質を見極め、宅建士として契約の裏側を知り尽くした私が、プロの視点で「初期費用を極限まで減らすための内見術」を伝授します。

プロの知識を武器に、不動産会社と対等に渡り合い、納得のいく条件で新生活をスタートさせましょう。

初期費用を減らすための内見チェックポイント

内見の本来の目的は、図面だけでは分からない建物の実態を把握し、入居後の生活に支障がないかを判断することです。しかし、多くの方が「部屋の綺麗さ」を確認するだけで終わってしまい、不動産会社から提示された見積書をそのまま受け入れてしまっています。

内見は初期費用を削るための「物理的な証拠」を集める唯一のチャンスです。不動産会社が当然のように請求してくる付帯費用の多くは、現場の状況を根拠に交渉することができます。

ここでは「初期費用を削る交渉の材料集め」という観点で、チェックすべきポイントを解説します。

共用部分の消火設備を確認する

不動産会社の見積書には、初期費用に「簡易消火剤代」として1万5千円から2万円程度を上乗せするケースがあります。

廊下などの共用部分に適切な消火設備(消火器や屋内消火栓)が設置されているかを確認し、写真に撮っておきましょう。

これがあれば、「共用部に消火設備がすでに設置されているため、個人的な消火剤の購入は不要です」という強力な交渉カードになります。

簡易消火器の交渉については以下の記事で詳しく解説しています。

賃貸の消火器代は払う必要なし!一級建築士がいらない理由と交渉術を解説

鍵の種類を特定する

多くの不動産会社は、鍵交換費用として2万円から3万円程度の定額を請求してきます。しかし、一般的な鍵であれば、部材費と工賃を合わせてももっと安く済むケースが多いです。

玄関ドアの鍵がどのようなタイプかを確認し、シリンダーの型番や形状を記録してください。

型番や形状をスマホで検索して実価を把握すれば、不動産会社による不当な上乗せを見抜くことができます。

見積に対して「この型なら相場はこれくらいですよね」と指摘するだけで、費用を適正化したり、自分で業者を手配する許可を得たりする交渉が可能になります。

部屋の清掃状況を確認する

通常、入居者が支払うクリーニング代(4万円〜6万円程度)が初期費用に入っていることが多いです。

部屋の清掃状況をチェックし、あなたが許容できるレベルであれば、ハウスクリーニング代を全額カットする交渉を持ちかけましょう。内見時に「このまま住んでも問題ないほど綺麗だ」と感じたら、初期費用を大幅に浮かせるチャンスです。

不動産会社に対して、「室内が非常に綺麗に保たれているので、追加の清掃は不要です。今のままの状態で借りるので、クリーニング費用を免除してください」と提案してみてください。

残置物の有無を確認する

前の入居者が置いていったエアコンやガスコンロなどの「残置物」がないかを確認してください。 これらは不動産会社の説明では「サービス」のように扱われますが、実は大きなリスクを孕んでいます。

残置物が故障した場合、修理費用はすべて入居者の負担になるのが一般的です。

内見時に「残置物があれば教えてください」と問い、納得できない残置物があれば修理義務を家主に負わせるか、撤去を求めるか、交渉すべきです。

最初に見逃すと、将来的に数万円の出費を強いられることになるため、内見時の確認が欠かせません。

その他にもチェックすべき重要ポイント

初期費用に直接関係はしないものの、住まいの質に直接関わる確認すべきチェックポイントを解説します。

コンパスで日当たりと周囲の影響を確認する

スマホのコンパスアプリを使い、窓が正確にどの方角を向いているかを測定してください。

不動産会社が作成する図面には、大まかな方角しか書かれていないことが非常に多いです。真南を向いていると思っていても、実際には南西にズレていて午後の西日が強すぎることもあります。

また、向かいの建物の高さによって、実際に日が差し込む時間がどれくらいあるかを予測してください。

日当たりは冬場の暖房代に直結するため、ランニングコストを抑える意味でも極めて重要な項目です。

窓の仕様とガタ付きを確認する

窓を実際に開閉し、サッシの建付けやガタ付きがないかを厳しくチェックしてください。

窓の性能は住宅の快適性を左右する最も大きな要素です。 窓の密閉性が低いと、冷暖房の効率が著しく低下します。

古いアルミサッシで隙間が多い物件は、どんなに家賃が安くても、毎月の電気代が高くつくため注意が必要です。

電波状況を徹底的にチェックする

スマホを取り出し、部屋のいたるところで電波がしっかり入るかを確認してください。

最近の鉄筋コンクリート造の物件は気密性が高い一方で、電波が届きにくい部屋が発生することがあります。

入居後に「ネットが繋がりにくい」と気づいても、回線工事には高額な費用と時間がかかります。 内見時の数分間のチェックが、入居後の快適な通信環境に繋がります。

防音性は「手を叩いて」反響の良さを確認する

部屋の防音チェックは、隣人トラブル防止のため非常に重要です。

部屋の真ん中でパンと手を叩き、その音がどれくらい「響くか」を確認してください。

音がよく響く(反射する)ということは、音が吸い込まれにくい証拠です。

建築構造上、音が反射するということは、壁の遮音性能が高いことを意味します。 逆に、叩いた音がボソッと吸い込まれるような感覚がある場合は、壁が薄く、隣の部屋に音が漏れやすい可能性があります。

騒音トラブルを避けるためにも、手を叩くだけの簡易的な防音チェックは非常に有効です。

ゴミ置き場から住人の民度を見抜く

物件の敷地内にあるゴミ置き場へ足を運び、そこがどれだけ綺麗に管理されているかを見てください。 ゴミ置き場は、その物件に住む入居者たちの「マナーの縮図」と言っても過言ではありません。

指定日以外のゴミが放置されていたり、分別が守られていなかったりする物件は、住人の質に不安があります。 また、管理会社が定期的に清掃しているかも、ゴミ置き場の状態で判断できます。

民度が低い物件では、騒音や共用部の使い方によるトラブルに巻き込まれるリスクが高いため、注意が必要です。

宅配ボックスの稼働状況と数を確認する

ネットショッピングを頻繁に利用するなら、宅配ボックスが十分な数あるかを確認してください。 単に設置されているだけでなく、すべてのボックスが「荷物で埋まっていないか」が重要です。

せっかく設備があっても、使いたい時に空きがなければ意味がありません。 内見時に宅配ボックスの状態を見ることで、物件の利便性を推し量ることができます。

内見後にすぐ申し込むのはNG!賢い入居者が守るべき鉄則

内見が終わると、不動産会社の担当者は「早く申し込まないと他の人に取られますよ」と畳みかけてきます。

しかし、ここで流されて即決してしまうのが、最も初期費用を高く払わされるパターンです。

「取られる」という言葉は営業の常套句

不動産会社があなたを焦らせるのは、他と比較検討させず、自分たちの利益が高い条件で契約させたいからです。

私は過去の引越しの中で、何度もこの煽り文句を耳にしてきました。しかし、本当に良い物件であれば、なおさら冷静な判断が必要です。

「早く決めないと」という焦りは、初期費用削減の最大の敵であることを忘れないでください。

仮でもいいので必ず詳細な見積書を貰う

内見が終了した段階で、申し込みをする前に「概算でいいので、初期費用に関する全項目の見積書」を依頼してください。 この見積書を持ち帰り、冷静に一項目ずつ精査することが重要です。

相場より高かったり、不要だと思った項目に印をつけましょう。 そして、内見時に確認した「消火器の有無」や「鍵の相場」を根拠に交渉を開始するのです。 不動産会社とのやり取りは、必ず証拠が残るメールやチャットで行いましょう。

交渉のタイミングとテクニックについては以下の記事で詳しく解説しています。

【プロが解説】賃貸の初期費用交渉のタイミングはいつ?成功率を高める裏技とは

【Tips】内見後における「決断疲れ」の危険性

実は、内見を1日に詰め込みすぎると、肉体的な疲労だけでなく「決断疲れ」という状態に陥ります。 心理学的に、人は疲労が溜まると脳の判断力が著しく低下し、投げやりな気持ちになってしまう状態を指します。

もし内見を複数件こなして「疲れたな」と感じているなら、その場での即決は絶対に避けてください。

不動産会社の営業担当はこの心理状態を利用してきます。あなたの疲れを察知し、判断能力が鈍ったタイミングで、不動産会社にとって都合の良い条件で申し込みを急かすのです。

どれほど魅力的な物件であっても、疲れを感じている際は申し込みをせず、一旦持ち帰ることを徹底してください。

脳がリフレッシュされた状態で改めて見積書を確認することが、初期費用を抑えるための鉄則です。

まとめ

賃貸の内見は、単なる「部屋探し」ではなく、家主や不動産会社との「条件交渉」の場です。 今回ご紹介した視点を持って物件を見れば、初期費用を削るためのヒントはいたるところに転がっています。

消火器の有無をチェックし、鍵の種類を調べる。 こうした地道な確認が、あなたの財布から数万円が消えていくのを防いでくれます。

また、日当たりや窓の気密性、防音性を確認することは、入居後の生活の質を劇的に高めます。

この記事で紹介したチェックポイントを実践すれば、あなたはきっと、最高の物件を最安のコストで手に入れることができるはずです。 あなたの新しい生活が、納得のいく形で始まることを心から応援しています。

Hoshi
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建築士として物件の構造や価値を見極め、宅建士として賃貸契約の裏側を知り尽くしています。

また、転勤等で引越しを5回経験しており、初期費用を極限まで下げる裏技を実践してきました。

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賃貸の「初期費用をゼロに近づける戦略」を公開します。

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